使用の手順(チェンソー用キマル) 概要

チェンソー用目立て装置「キマル」の取り扱い方法を簡単に説明します。より詳しくは、取扱説明書もしくは操作方法の動画(YouTube)をご覧ください。

目次

はじめに

チェンソー目立て装置「キマル」は、安全な場所であれば何処でも使用可能ですが、ここでは背筋を伸ばして楽な姿勢で目立て作業ができるよう、軽トラックの荷台を作業台として利用することを前提に説明します。

キマルを使って目立て作業をする際には、手袋を必ず着用して、服装や作業環境に配慮して安全な作業を心がけて下さい。

1. チェンソーに「キマル」を装着する

 チェンソーにキマル本体部を挿入する

キマルの「バー固定レバー」を反時計回りに回して、左右の「キマルゲージ」の隙間を広げます。

バー固定レバーとキマルゲージの隙間

チェンソーのバー先端から「キマルゲージ」の間を通して、キマル本体部をチェンソーに差し込みます。 バーの3分の1くらいの中ほどまで、キマルの本体部を挿入してください。

キマルの取付位置が決まったら、「バー固定レバー」時計回りに回して、キマルをチェンソーにしっかり固定してください。

 キマルの取付高さ位置を決める

キマルの「基準ゲージ」を上に起こします。必ず制限一杯まで、確実に起こしてください。

基準ゲージ

ソーチェンの前後の刃先上端が、「基準ゲージ」の中央付近に確実に乗っている状態を確認して、キマル本体部をチェンソーのバーに吊り下げます。

取付高さ位置が決まったら、位置ズレに注意しながら「バー固定レバー」を時計回りに回してキマル本体部をチェンソーのバーに固定します。

 キマル本体部を軽トラックの荷台に固定する

軽トラックの荷台に適当な大きさの空コンテナを底を上にして置き、その上にキマルを装着したチェンソーを載せます。

キマル本体部を、軽トラック荷台のコーナー部に、キマルの「脚ボルト」を利用して固定します。

基準ゲージ

もし、コンテナーの高さとチェンソーの高さが合わずエンジン下部に隙間があく場合は、古雑誌などを利用して隙間を埋め、ヤスリをかけてもチェンソーがグラつかないよう、しっかりと固定してください。

2. 目立てる刃先を「キマル」にセットする

キマルの「基準ゲージ」を下に下げます。必ず制限一杯まで、確実に下げてください。次に、チェンソーのバー先端部を右掌で軽く握り、ソーチェンが正逆回転共に回る(動く)ことを確認してください。

「刃先固定レバー」を右側に倒すと、「刃先ストッパー」の固定が緩み、刃先ストッパーを上下左右に動かせるようになります。ソーチェンを逆回転させながら「刃先ストッパー」を下げて、刃先ストッパーを刃先にセットします。

刃先固定レバーと刃先ストッパー

「刃先ストッパー」は、必ず所定の位置にセットしてください。

「刃先ストッパー」は、5枚の板で構成されています。ソーチェンの【右刃】を固定する場合は、右側から1枚目の板が後ろから刃先を押さえてヤスリ圧を調整します。2枚目の板が上から刃先を押さえつけてソーチェンをバーに固定します。そして3枚目の板が横から右刃先を押さえつけて刃先を固定します。【左刃】の場合は、左側からの3枚の板が上記の役割をします。

刃先ストッパーの正しいセット方法

刃先ストッパーを単に真っすぐ下ろして、上刃の真上に中央のストッパーを下ろすのは間違いです。刃先ストッパーを間違った位置にセットすると、ヤスリが刃先ストッパーに当たって目立てが出来ません。

「刃先ストッパー」を正しく刃先にセットしたら、刃先を固定して下さい。「刃先固定レバー」を左側に倒すと、「刃先ストッパー」が締め付けられ、刃先がバーに固定されます。

3. ヤスリをあて目立てをする

 ヤスリをヤスリホルダーに取り付ける

ヤスリホルダーの「ヤスリ取り付けネジ」を緩めて、「コマ玉」とガイドの間にヤスリを取り付けます。ヤスリは左右に2本取り付けてください。

ヤスリホルダー

キマルを使う場合、ヤスリは押しても、引いても、共に目立てが可能ですが、ヤスリを引いて目立てをした方が簡単です。

ヤスリを引いて使う場合は、ヤスリの先端を向こう側(オレンジ色の「ヤスリレバー」の反対側)に向けて、ヤスリホルダーにセットしてください。

 ヤスリホルダーをキマル本体部にセットする

キマル本体部の「【左】キマルゲージ」のU字溝に、ヤスリホルダーの「掛けボタン」をはめ込みます。

「掛けボタン」を軸にヤスリホルダーを倒すと、ヤスリホルダーは「ヤスリ休め」に掛かって下がらなくなります。

掛けボタンとヤスリ休め

 ヤスリレバーを引いて横刃を目立てる

「ヤスリレバー」(オレンジ色)を手前に引き寄せると、「ヤスリ休め」の掛かりが外れ、ヤスリがソーチェンの刃先に入り込みます。

ヤスリレバーを、刺身を切るように、肩の力を抜いて軽く手前に引いて目立てをします。ヤスリの削り面一杯までヤスリを引いたら、ヤスリレバーを持ち上げて元の位置まで戻し、再度ヤスリをあてて目立てをします。

ヤスリレバーを引く

 ヤスリ圧を調整する

「ヤスリ圧調整ネジ」を回して、ヤスリ圧を調整して下さい。よい目立てをするには、このヤスリ圧の調整がとても重要です。

ヤスリ圧調整ネジ

「ヤスリ圧調整ネジ」を反時計回りに回すと、ヤスリ圧が上がります。

「ヤスリ圧調整ネジ」を時計回りに回すと、ヤスリ圧が下がります。

 上刃切削面にヤスリをあて目立てる

ヤスリレバー(オレンジ色)に時計回り(Up方向)に軽い力を加えると、ヤスリホルダーにねじれが生じて、上刃切削面に対して下からヤスリ圧が加わります。このヤスリ圧を保った状態でヤスリレバーを引くと、上刃切削面の目立てが出来ます。

ヤスリレバーを反時計回り(Dwnu方向)に回すとヤスリが上刃切削面から離れるので、ヤスリを元の位置に戻します

ヤスリレバーを回す

チェンソーの切れ味を一番左右するのが、上刃切削面の目立てです。

上刃切削面の目立てでは、ヤスリを下から持ち上げて、切削面の下からヤスリ圧を加えなければなりません。しかし通常、下から刃先にヤスリ圧を加えるとソーチェンが上に持ち上がり、適切なヤスリ圧を加えることは困難です。キマルは、不安定な刃先を刃先ストッパーでガッチリ固定することで、上刃切削面に適切なヤスリ圧を加えることが出来る仕組みになっています。

4. 次の左刃(あるいは右刃)を目立てる

右手で「ヤスリレバー」を上げて、ヤスリ休めに掛けます。

左手で「刃先固定レバー」を右側(時計回りの方向)に制限一杯まで倒すと、刃先ストッパーが刃先から抜けてソーチェンが回る(動く)ようになります。

ソーチェンを回す

チェンソーのバー先端部を右掌で軽く握りソーチェンを回して、一つ飛んだ左刃先(あるいは右刃先)と刃先ストッパーを噛みあわせて、先と同様のヤスリがけを繰り返します。

5. 左右の刃先を入れ替えて目立てる

左刃(あるいは右刃)の目立てが一巡したら、反対側の刃先を目立てます。

片方の刃先の目立てが一巡したら、「ヤスリホルダー」を「キマル本体部」から取り外し,人はキマルの反対側に移ります。

「ヤスリホルダー」を反対側の「キマルゲージ」に掛け替えて、先と同様の目立てを繰り返します。

ヤスリホルダーを左右掛け替える

以上でキマルを使ったチェンソーの目立て作業は完了です。

連絡先・お問合せ先

キマル技研 (旧称 北川原技研)
〒387-0023 長野県千曲市大字八幡1543番地
TEL/FAX: 026-272-5068
E-mail: info@kimaru-giken.com

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